一ノ瀬ことみ

久々に更新したと思ったら、またかよって思わないでください。
確かに、卒論ととってる授業のレポートで政治法律漬けだったんですから、
たまにはいいでしょう。

というわけで、一ノ瀬ことみ攻略しました。
攻略って信長の野望っぽくてあれですが、結論からすれば一ノ瀬ことみストーリーは最高水準でした。Kanonのあゆ、真琴編 AIR観鈴に勝るとも劣らない出来でした。
前者は奇跡と「思い」、後者は家族愛とけなげさが一つの感動keyでしたが、
一ノ瀬ことみAIRKanonの中間で具体的な両親の娘への愛情がkeyです。

いずれにしろ、クラナドの中では坂上智代編の上を行く出来だったと思います。
例によっていくつか印象に残った言葉を書き出します。
「真理を探究するものは傲慢であってはならない」
「科学の言葉で語り得ないからといって奇跡を嘲笑してはならない」
「この世界の美しさから目をそむけてはいけない」

自分なりの解釈では、真理とはすなわち美であり、美は身近に存在する。
科学で解釈できないような奇跡と一般に言われるような事態にあっても常に謙虚にありのまま受け入れようということではないかと思う。この言葉の後に、本当に大切なことは常に簡単で単純なものだということみの母の発言が出てくるが、Kanonから言い続けている「身近に転がっていて気づかずいる日常の幸せ」が世の中で最も大切なものであり、得ること維持することさらにそれを実感することがなかなか難しいものなのだということを感じさせた。

そう、今の人は世の中で人工的に作られた特殊なものを追い求めすぎて、身近な幸せを失っているのかもしれない。科学においても人工的な理念観念に流されすぎて、ごく身近に存在するような現象の普遍性に気づかずいる学者が多い気がする。こうしたことへの戒めが上記の3つなのではないか。世界は美しい、日常を嘲笑し傲慢になるものへの戒めをというのがこの言葉の真意と見るのは読みすぎだろうか。

いずれにしても、keyというブランドがアダルト系が多数を占めるビジュアルノベル業界で必ずしも世間一般から妥当な評価を受けていないことはとても残念である。小説に絵と音楽を加え、ストーリーを読者が選択できるという表現方法を世間に認めさせることが今後大事になっていくのではないかと思う。

ビジュアルノベルがアダルトやありふれた恋愛シミュレーションに限られる状況は不健全で、もったいない。芥川賞のようなコンテストを行い、小説と同様にビジュアルノベルというジャンルが表現として確立されることを切に願わせる作品であった。

これで、メインキャラの残りは風子のみ。コンプリートする気になった。