〔雑談〕ま、仕事は仕事として、趣味は趣味。

あんまり世間的に受けのよくない趣味を持っている人もいる。
いわゆるオタク系ないしアキバ系といわれる趣味、具体的にはアニメやビジュアルノベルが好きだという人はたくさんいるだろうが、私もその中の一人である。

でも、世間で言われるオタクとはどうも私は距離を置いている。というのも、オタクと自称する人は特に現実の女性に対して、禁欲的に距離を置く。それでオタク系趣味に誇りを持っているようである。私の場合、禁欲的に距離を置くというのには当てはまらないし、オタク系の趣味はキャバクラ(=必要悪)のように捉えていて、正直言ってそんなに褒められたものでもないと思っている。

男の心の隙間をすっと埋めてくれるようなそんなものだと考えている。美しい女性が何人も自分に一目ぼれないし、好意を持ってくれて、いろいろしてくれるなんて都合のいい話はまさに心の隙間を埋めてくれるものと言う以外ない。

ただ、最近のオタク系の傾向として妹だったり、メイドだったり、巫女だったり、双子だったり、ロボットだったり、障害者だったり、はたまた痴女だったり、変態だったりなんだかいろんな要素自体を趣味とするように細分化されてきたように感じる。最初は男の誰しもが夢見るようなことを実現してくれるような恋愛ドラマやゲームが多かったのにもかかわらず、最近はどんどん欲望が朽ち果てていっているような気がする。

具体的に言おう。「ときメモ」と「ダカーポ」を比べればよく分かる。「虹野さん=理想のお嫁さんタイプ、詩織=幼馴染優等生アイドル」だったのが、「音夢=義理の妹、美春=ロボット、さくら=魔法使い、頼子=ネコミミ」といった具合である。というか、まあダカーポはことり=アイドル、眞子=世話好き同級生といった具合で古典的なのも共存しているのだが。

最近の例を挙げれば、「はにはに」と「シャッフル」なんかがあるが、やっぱりロボットやら従兄妹やら未来人やら、悪魔やら天使やらいろいろでてきている。

ここまではまだマシな方で、最近の犯罪とも関わると思うが、変態的趣味を反映した作品も最近数多い。唯一、地雷を踏んでしまった作品だから、具体例としてあげるが、「いたいけな彼女」がまさにそうである。ヒロインを暴行したり、脅迫したり、失禁させたり、監禁したり、ほとんど全てが犯罪行為である。正直、こんな作品をやって喜んでいる人間は病んでいるとしか言いようがないし、救いようがない。それでも、需要があるから存在するわけで、社会の世相の反映であることを考えると今の社会がそれほど良いものでもないと考えざるをえない。

ま、このようにオタク系といっても色々あり、これを一括りにするほどバカげた話はないのだが、あえて一括りにするとすれば、これらが男の欲望の結晶であるということ以外にない。しかし、こう括るとなんだか別のことも括れるようになる。

前述したが、キャバクラ等の風俗もまさに男の欲望の結晶から存在するものであるから、ある意味それらと同類である。最近、知人が酔って「オレは女と食べ物には好き嫌いはしない。セックスフレンドが今までたくさんいた」と言っていたが、この知人も立派なオタクになれる素質があるように感じる。何せ、欲望に忠実に生きていられるのだから。

というわけで、言いたいのは世の中病んでいるなということである。私の場合、オタク系でも現実でも、自分の価値観にあうような対象と付き合っていたいと思うし、自らの信条を持ち、現実とのギャップに苦しみながら悩むといった人間らしい生き方をしたいと思う。「動物化するポストモダン」という言葉があるが、今の世相はとにかく動物化の一言で括れるような気がする。ちょっと、立ち止まって考える、それができない人が多すぎる。