かんなぎ

 らき☆すたは男のヲタクをこなたという女性キャラを使って客観化してパロディ的に描いたが、かんなぎは日常化してしまったオタクども(第三世代)をさりげなく描いてみせた。以前にも、げんしけんでオタクは描かれていたが、ここでは「げんしけん」というオタクサークルを舞台に描かれており、この点異なる。
つまり、かんなぎは、昨今のヲタ文化の一般化・日常化(岡田斗司夫 (著)「オタクはすでに死んでいる」にいう第三世代オタクの隆盛現象) を描いている点が注目されるのである。身近に見た目では分からない熱いオタクがいる、自覚なき腐女子達、そして婦女子文化に興味津津の普通の女の子というわけだ。そう考えると、幼馴染・シスター・神様・お嬢様・魔法少女ツンデレ・コスプレ、ハーレム、やおいなど萌え要素をつめこんでいるが、これらは飾りにすぎないとも考えられる。これをバランスよくちりばめているからこそ支持が高くて、炎上したりするんだろうが、本質はオタクが文化として成熟化してきた兆候なのではないか。第二世代からすると抵抗あるが。
 第三世代オタクは増殖しているから、しょこたんみたいな人間は今後大量生産されるだろう。そうなると、近い将来文化として、化政文化などと比較され、「退廃的要素を持ちながらも、家族とか八百八万(やおよろず)の神々など旧来の日本的価値の再評価、映像表現などを挑戦的に行った独自色の強い文化」などと評されるになるかも。