ある友人との会話

主に、経済学上のケインズ主義と古典主義の違いが議論の対象となった。ケインズ主義の致命的な欠点としては期待形成にあると言われている。つまりは貨幣需要の投機的需要の期待形成に関して、利子率を減少関数としている点である。要するに、利子率の上昇によって貨幣需要が減少することをLM曲線を導出する際に前提としているがこの点に疑問がある。
利子率の上昇は債券価格(現在割引価値)の下降を意味するが、将来的な利子率の下降と債券価格上昇を見込んで、貨幣よりも債券で保有することになるというのである。
この見込みがおかしいのではないか。利子率はあるべき値という固定値があるわけではないのに、利子率が上昇すると将来的に下降すると人々が期待するという前提がおかしいのである。
古典派の合理的期待形成ないし適応的期待形成によれば、そうとは限らないのである。現実に、確かに利子率が上昇してもこれからも上昇するであろうという材料があれば、人々は利子率の上昇を期待するはずである。つまり、この際利子率が貨幣需要の増加関数となりうるのである。これは極端な例としても、ケインズ派が規定するLM曲線の前提は崩れることになる。しかし、実際の古典派はLM曲線を垂直として、貨幣需要の投機的需要を否定している。この点はよく分からない。

その他にも、政教分離靖国の問題、満州事変における軍の専横、世論の危うさ等が議題となり、かなり軽い感じで3時間ぐらいは話をした。満州事変における軍の独断、憲法違反行動を考えれば、今回のイラクにおいて国益自衛隊を留めるにしても、特措法を改正し危険地域での活動を認めたうえで延長すべきだ。危険が迫った場合、正当防衛で行動できる。日本国憲法の解釈として、積極的な軍事力行使を認めないという点におくとすれば、憲法違反の論も乗り越えられるはずである。