planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜

レビュー書きます。とても感動しました。以下レビュー。
本作品は、戦争で荒廃した世界において屑屋として生きるしかない荒んだ青年とそれ以前の世界で作られたプラネタリウム解説ロボットである「ほしのゆめみ」との出会い、別れまでを描いた作品である。
グラフィック、テキスト、サウンド全てが高品質であり、かつ「戦争、秩序、ロボット、人間とは何か」と様々なことを感じ、考えることができるテーマ性を有する秀逸な作品であると言える。ストーリー、テーマ性を考えれば、他の表現方法(小説、漫画、アニメ)をとったとしても十分に通用する作品である。一方で、本作品におけるテキスト、グラフィック、サウンドを組み合わせた表現方法をとったからこそできた内容も含んでいると思われる。プラネタリウムのグラフィック、ゆめみの表情・動作・・・非常に楽しむことができると思う。
印象に残ったのは、ゆめみの言葉で「星の世界が手の届かないあこがれではなく、ありふれた暮らしになっても・・・・どうか、ここで見た星空を忘れないでください」という部分である。社会が変化して様々な夢が実現しありふれたものになりつつある中でも、その夢を見た気持ち、思い、心を決して忘れないようにしてほしいというメッセージを感じた。同感である。人間である主人公の青年がそういった純粋な思いを忘れているのに対し、ロボットであるゆめみが自分にとって重要な記憶を特別大事に記録していると思えたのが、なんとも悲しく、そして心動かされるところだった。