〔政見〕憲法関連

よく「にわか憲法知ったかぶりの方々」が自民党憲法を分かっていない、理解していないとか言ってますが、私からすれば自民党の方がよほど日本国の歴史を踏まえさらに現実統治の理解を踏まえた議論をしているなと思います。法の下の平等をくりだして天皇制を批判する人がいますが、「国家統合の永続性の象徴」と「正当な政治的決定への権威付け」という役割を果たしてくれていることを考えれば、教師と生徒、上司と部下間において合理的な立場の違いがあるのと同様に、一般国民と天皇の間に合理的な立場の違いがあるのは当然だと思います。日本国のアイデンティティーは天皇です。終戦を決断したのも、日本国憲法を作り出したのも、元を正せば昭和天皇のご聖断によるところが大きいわけですし、そもそも明治維新が成し遂げられた理由は尊皇という言葉があるように天皇の存在が大きかったわけです。そういったことを肌で感じているからこそ多くの良識ある日本人は天皇陛下を敬愛し、皇族の結婚を心からお祝いできるのです。また、世俗権力と離れた立場で、人間としてのあるべき姿を体現してくれているという意味も今日のすさんだ社会にとってとても大きいことだと思います。
ただ、気になる点が一点あって、公共の福祉の問題です。基本的人権と公共の福祉というテーマは非常に難しくて、議論錯綜ですが、公共の利益(多数派が考えている)と反してでも守らねば成らない個人的な権利が人権であるという定義からすれば、自民党案の概念は少々考え違いなのではないかと考えています。ま、この辺はどっかで書いてあったように判例の蓄積がある程度ありますので、公共の福祉関係の条文はいじらない方が賢明であると思います。第一、今までので不都合な理由がイマイチ分かりませんから。
ですから、改正点は一に自衛権自衛軍の明記、二に天皇の存在の明確化、三に過去の歴史(文化とか伝統は不明確なのでやめた方がいい。歴史は明治維新以降の憲政について触れるといいと思う)、地理風土の記述だと思います。付随的に、私学助成の問題と世界でも異常な政教分離規定(役所にクリスマスツリーを飾っても違憲になる可能性、首相が墓参りしたら違憲の可能性って・・・)の緩和、裁判の公開等々の細かい不具合を訂正する必要があると思います。