〔政見〕目指すべき国家像

なんとなく今思いついた「目指す国家像」だが、日本発ルネッサンスというべき「豊かで挑戦的文化を発信する国家」なのではないか。

ルネッサンスベネチア商人が地中海貿易で稼いだ巨万の富を源泉に、既存の社会秩序の枠を超えるような挑戦を行う芸術家達を保護したことで起こった。

一方、現在の日本も蓄積された人的、物的資本を基盤に貿易を中心として富国を達成している状況だ。しかし、富国を達成した後の目標が見えず、動物化の風潮が蔓延しているのが実情だ。

ところで、最近、何の生産も生まない二次元の絵に美を見出す等「動物化へのアンチテーゼを体現してきたオタク」による文化が、社会と折り合おうとしている事象に着目したい。この事象は、人間の限界性(論理よりも情欲、思考や想像よりも固定観念や経験等々)を修正することができる少数のエリートだけの文化だったオタク文化が、より分かりやすいものに転化され一般大衆に解放された結果である。
この動きは、動物化を作った当事者自身にもそろそろ動物化は飽きてきたという気分があることの証左でもある。動物化といってもやはり教育をある程度うけた人間が完全に動物になれるわけでもなく、虚無感というかむなしさというものが出てきているのが今の状況なのではないか。

こういう状況は日本にとってルネッサンスの下地となり得る。オタク文化に限らず、今日本人は洗練された文化を求めている。「国家の品格」がベストセラーになったり、WBCの熱狂等を見ていてもそう感じられる。この空気が歌舞伎やオペラが好きな小泉首相を生んだのだとしたら、これはまさに政治的な話なのかもしれないし、これからの日本を占う指標かもしれないと思う。