終戦の日に思うこと

先の大戦はいろいろな角度からの分析があり、様々な議論がされているが、かなり重要な要素、意図的に避けられている視点があると思う。
それはレイシズム(人種差別)である。
先日、ヒストリーチャンネルを見ていたら、日米戦争が始まった際に、米国はドイツ系やイタリア系は隔離せず、日系人だけを強制収容して隔離したとの事実を報じていた。当時の米国内でも「これでは人権尊重の国とは言えないではないか」と批判があったらしい。
これは一つの例にすぎない。もう少し大きな視野で見ると、欧米の帝国主義がアジアをいかに席巻していたかという事実を思い出す。中国はイギリス、ロシア、ドイツなどに分割されて半植民地化していたし、フィリピンは米国、インドはイギリス、インドネシアはオランダにそれぞれ植民地化されていた。
インドのガンジーの話が有名だが、アジア人に対する蔑視、差別感情があり、かなりの迫害があったことは様々に伝わっている。
百年以上も続いていたこういう状況に対して、日本がアンチテーゼを掲げて戦ったために、欧米列強もあからさまに植民地主義・人種差別を唱えることはできず、結局、自由と民主主義、民族自決の原則などの理念で対抗せざるをえなかった。

この結果が今の世界である。
以来、国連憲章は同理念が主軸であり、日本国憲法自由主義と民主主義が基軸である。

理想論はともかく、何かの理念の変化、国境の変化など大規模な変動には大きな政局や犠牲がついて回る。

それは歴史が教えてくれるとおりである。