夢を見た。
私自身が、衝動買いしたものをなぜか職場の机に置いてある。それをみて、親切だった同僚の女性職員が急に態度を変え、自分を遠目でみるようになる。激しい感情に襲われ、はっと私は目が覚めた。

 普段隠している感情が出てきたのであろうか。ヘタレおたくということもあり、普段接する多くの人に対して、ヲタである事実を隠して生きている。その理由は、過去の経験によるところが大きい。現在は、チョイオタなどという言葉が存在するように、アニメや漫画について詳しい知識を持つことに偏見は薄くなってきたが、昔の差別はひどいものだった。具体的に、高校1年生の時、親しい友人であったK氏は私がそれらしいことをほのめかすと、くさいものを見るような目で私を見た。その時、私は強く一般人にある強い差別意識を感じた。
 ある意味、これは重要な原体験だったが、以来、私はどこかで後ろめたさを感じながら、オタク的活動をしていた。理由は一つ、面白いかったからである。そして格好いいとも思っていた。
 最近になって、日本アニメについて海外からの評価が非常に高いという報道が頻繁になされ、明治以来の舶来コンプレックスがあるとされる日本社会では、実際にアニメや漫画への偏見が薄くなってきたように思う。日常の中でアニメ(深夜アニメのうちマニアックなものは除く。)の会話をすることがドラマについて語るのと同じようにできるようになってきた。これに拍車をかけているのが日本漫画を愛好しているといわれる麻生太郎外務大臣の政治的人気の高まりである。
 政府の公式見解を作る各府省の文書に「美しい」「再チャレンジ」という言葉が連発されたことからも分かるように、各府省は権力を握った政治家の言葉によくも悪くも迎合する。麻生氏が首相になった瞬間に、振り子が一気に触れる可能性も高いと私は見ている。